広大なアメリカを走るキャンピングカーは1日に走行する距離も半端ではありません。数年年落ちのキャンピングカーで10万キロを超えたキャンピングカーもざらにあるとか・・・。
 それに比べ日本のキャンピングカーは欧米と比較した場合、走行距離が少ないのが特徴です。
 走行距離に応じて交換しなければならない部品も多数ある中、もっとも重要な部品の中にタイミングベルトがあげられます。
 タイミングベルトはエンジンの圧縮や爆発を規則正しく行うための重要なもの。もし、このベルトが切れるとエンジン内部のピストンをバルブがつき破り、オーバーホールに多大な修理代がかかることになります。
  通常、普通乗用車においてメーカーは10万キロでタイミングベルトの交換を推奨していますが、高性能エンジンでは6〜8万キロを指定している車種もあります。
 また、走行は2〜3万キロなのに、長期にわたり野ざらしにされているキャンピングカーなどにおいては、ベルトが伸びていたり、型がついていたりすることが予想され、高回転の運転に耐え切れず切れてしまうケースもあります。
 普通乗用車によるある悪質なケースとしてメーター戻しを行っている場合、メーター上は3万キロでも実際は10万キロを超えており、まだ大丈夫だと思っていてもタイミングベルトが切れることがあります。
   キャンピングカーは車重が重いため、エンジン、ミッションなどの駆動系の他にこれらのベルト類にも負担が大きいことが考えられます。
 キャンピングカーは車重があるため、上り坂や加速時などエンジンを高回転で回し、常にパワーを要求されるキャンピングカーのエンジンは普通乗用車と比べると過酷な状態で使用されているといえます。このことから考えても、架装前の整備手帳に明記されている10年の周期で交換よりも早めに交換するほうが安全です。具体的には、キャンピングカーは高性能車と同様の周期でタイミングベルトを交換されることをお勧めします。部品代金は1万弱程度、ベルトが切れると20万前後車種によってはそれ以上、業者によってはさらに高額なオーバーホール代が必要となります。
 このページはタイミングベルトのチェックと、交換についての説明です。交換は、多少手間はかかりますが、個人でもできます。但し、ベルトのかけ間違いでタイミングが狂いエンジンを壊してしまう恐れもありますので1つ1つ丁寧な作業を行ってください。
タイミングベルトカバーの確認
 タイミングベルトの位置を確認する。通常タイミングベルトは、プラスチック製のカバーに覆われています。見つける手がかりとしては、【エンジンの端の方、エアコンコンプレッサーが近くにある、オルタネーターが近くにある、これらからベルトがかかっている】付近のプラスチック製のカバーを探します。また、このカバーはエンジン下部まで覆われています
 これを見つけたらその周囲にあるものを全て取り外します。
 取り外すときにネジ類はそれぞれの部品ごとにビニール袋などに入れておくと紛失や間違いがありません。
周辺の補機類の取り外し
 周囲にある、エアークリーナーや各種パイプ類を外したところ。
 ラジエターからつながっているホース類は抜くとクーラントが流れ出てきます。
 その場合は、ホースを折り曲げタイラップなどで縛り、クーラントが流れ出ないようにします。(あらかじめタイラップを準備しておく)
 オイルレベルゲージもネジを一本外して上に引くと抜けます。
 写真左下=オルタネーター
 
クランクプーリーの取り外し
 オルタネーターのベルトやエアコンのベルトを外しカバーのネジを取ると、タイミングベルトがでてきます。
 その状態でクランクプーリー(滑車)を外します。(写真左)
 このクランクプーリーは取り付け位置があり、このプーリーがシリンダー内のバルブの動きを管理している。そのため、このプーリーの位置を間違えると点火のタイミングがずれ、バルブがピストンを突くこともあるので要注意です。
 この位置は左写真上の白いマーク(合いマーク)とエンジン側に打刻されている位置に合わせることがポイントです。少し狂ったくらいで、エンジンが壊れることはありませんが、爆発のタイミングがずれパワーがでないということになります。
ベルトの取り外し
 ベルトを外したところ。
 上の歯車がカムシャフトプーリー。左下に見える歯車がウォーターポンププーリー。通常、ウォーターポンプも消耗品であるため、タイミングベルトと同時に交換することが望ましい。
 上写真のクランクプーリーは一番下に取り付けられている。
ベルトの組み込みと合いマーク
 新しいベルトを組んだところ。
 この時、カムシャフトプーリーとクランクプーリーが合いマークに合っていることを確認します。
 さらに、クランクシャフトにめがねレンチをかけ、正転方向に2回転させ、ベルトに緩みを取ります。
 その後、ばらした時と逆の手順で組み込んでいきます。
ベルトと全体図
   左が交換したベルト。右が新しいベルト。下図タイミングベルト全体図。
タイミングベルトの働き
 タイミングベルトはクランク車夫との力をカムシャフトに伝えている。これにより、バルブの開閉を行っている。タイミングベルトのタイミングとは、バルブの開け閉めのタイミングのことである。タイミングベルトが切れると、バルブがピストンをつき、この状態になるとエンジンを下ろし、オーバーホールが必要となる。 
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